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コラム フードバンクと届け方の工夫

こんにちは、事務局の山内です。

このコラムでは活動の現場で起こった出来事から、事務局スタッフとして私が感じたこと、考えたことをご紹介します。フードバンク活動から見えてくる、「いま」を感じていただけると幸いです。


日本ではまだ食べられるにも関わらず、大量の食品が捨てられています。その一方で、明日の食事に困っている方が日本にもいます。
私たちセカンドハーベスト名古屋(以下、2HN)では、企業・個人から寄付いただいた食品を生活に困窮する個人や福祉団体へ提供するフードバンク活動を東海地方で行っています。

 

普段の活動を通じて感じていることがあります。
それは、生活に困っている方へ食品を届けることは、体力面・精神面・経済面にとって良い影響があること。
しかし、食品を届けるだけでは生活が安定しない場合もあることです。

 


例えば、ある30代の女性は夫からのDVにより離婚しました。
しかし、まだ子どもが小さいため働ける時間が少なく、また親や親族との関係も悪かったため頼る人もおらず、派遣やパートの仕事で得たわずかな収入で暮らしていました。
家賃や子どもの養育費はもちろんのこと現代社会において最低限の生活をするためには携帯電話料金やインターネット代(仕事を探したり面接の申込に必要)などの支出もあるため、唯一削れるのは食費でした。
子どもの食事を削るわけにもいかないため、自分の食事を一日2食にしているうちに体調を崩してしまい・・・・・。


 

確かに、この女性へ食品を届けることで生活は一時的には良くなります。

栄養価のある食事をとることで体力が回復し、食費を削減することで他の出費にお金をまわせ、気持ちも落ち着きます。

とは言え、子どもが小さいことから厳しい生活はまだ続きそうです。

本来なら受けられる公的な支援がないか?
親や親族との関係を改善できないか?
お金の使い方は見直す余地はないか?
就職に向けた支援が必要ではないか?等

 

生活に困った方は複数の「困りごと」を抱えている場合が多く、食品を届けさえすれば生活が安定するわけではありません。

 

そこで、2HNは行政が設置した相談窓口と連携して、生活に困っている方へ食品を届けています。

この連携により生活に困っている方にとっては、食べ物の支援だけではなく、公的な支援を受けられたり家計の見直しや就職に向けた支援なども受けられます。

また、生活に困っている方の情報を把握している行政と連携することで、食品を必要とする方へ確実に届けることができます。

・食品を届けただけで終わりにしたくない
・食品を必要としている人に届けたい

そんな想いで届け方を工夫しています。

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